虜(前編)


小太郎「ん……」

少年福見小太郎は目を覚ました。何があったのかは知らないが、今まで気を失っていた。
なんか、張りのある皮状のものの上にいた。どこなのかわからない。
肌色の、ところどころに筋のある……。

突然、巨大な影に包まれた。驚いて光を遮った方向に顔を向けると、

顔。人間の顔。女の子の顔だ。
しかも、知っている顔である。同じクラスの丸野さんだ。

(なんで丸野さんがこんなに大きいんだ?夢でも見てるのか?)

小太郎は大きな顔をじっと睨んでいた。顔は微妙に表情を変えた。
それとほぼ同時に地面が揺り動いた。
小太郎「うわぁっ、な、な、なんだ!?」
段々と大きな顔に近づいていっているようだ。
もしかして……と、小太郎は地面の正体を推理した。

その推理は正しかった。地面とは、大きな手であった。
おそらくは顔の主――つまり丸野さん――の手。
小太郎は巨大な「丸野瑞希」なる少女に持たれているのだ。

動いていた地面は、小太郎の顔が丁度瑞希の口の高さに来た所で止まった。
見上げると、瑞希は自分の方を見下ろし気味に見ていた。
ふと、目の前の大きな口が小さく開いた。
瑞希「……ごめんね。」

前方からふわっと風が舞い来た。いつもの可愛らしい声が優しくも大きく鳴り響く。
夢にしてはリアルなものだ。
それに「ごめんね」という発言は何だ。この状況を引き起こしたのは丸野さんなのか?
状況が全く飲み込めず、依然として瑞希の眼を睨みつづけていた。

瑞希「ごめんね……ごめんね、ごめんねごめんねごめんね」
何だかよくわからないが、丸野さんはずっと謝っている。
とりあえず丸野さんに訊けば事情がわかるかもしれない。
小太郎「な……何故謝ってるの?何かあったのか?」
少し間を置いて瑞希は答えた。
瑞希「……あの、その、福見君と話がしたくて、その、えと、でも福見君動きが速くて
   全然話しかけられなくて、えと、だから、その話がしたかったから」
小太郎「話がしたいのはわかったけど、その何だ、今こうなっていることについて」
訊こうとする途中で言葉はさえぎられた。
瑞希「わかってるの!こういうやり方がよくないのはわかってるんだけど、
   でもこうするしかなくて……。」
核心に近づいてきた。
小太郎「いやだから、どうしたの?」
また間が置かれた。一番言いにくいことらしい。
ちょっとして、喉を少し絞らせつつ声を出した。
瑞希「福見君が逃げないように……小さくして……家に……。」

つまり、丸野さんは僕と話がしたかったけど、僕が活発に動くもんだから
話し掛けることができなくて、仕方なく僕を小さくして
自分の家に連れて来た、ということか。
……て、「小さくして」とはどういうことだ。
僕は小さくされたのか。そんなことどうやってするのだ。
やはり夢でも見ているのか。さっきから起こっていることがあまりに非現実的だ。
しかし、視界にある丸野さんの顔や踏んでいる手のひらの柔らかさ、温感、湿った感じ、
そして丸野さんの声音も頻りに優しく吹いてくる吐息も全てリアルだ。
夢のようであり、同時に夢とは思えない。こんな奇妙な感覚は初めてだ。

とりあえず訊くことにする。
小太郎「小さくしてって……どうやって?」
すかさず返答が来た。
瑞希「我が家に伝わる古い秘法で……ひいおじいさんの遺物の中から見つけて……。」
秘法とは……丸野家は何の家柄なんだか。
小太郎「そ、そしたらその秘法で元の大きさに戻してくれないかな。
    大丈夫、逃げないで話をするから。これだと話しにくいし。」
ちょっと方便を混ぜながら頼んでみた。しかし、
瑞希「こ、これもごめんね、戻し方まだわからなくて……。」
いきなり希望が断たれた。
小太郎「ちょ、ちょっと待て!戻せないってそりゃないだろう。」
瑞希「ごめん、ごめん、早く方法見つけるから……。」
小太郎「できるだけ早く見つけてくれよ。」
これしかいえることはなかった。

丸野さんは僕をカーペットらしき毛だらけの床の上に置いて、
小汚い和綴じの書物を読み始めた。どうやらあれが秘法とやらの載っている書らしい。
丸野さんは秀才だから、古い書物の読み方もわかるのだろうか。
瑞希「あぁーっわからない!もう書いてあることが全然わからないんだもん。」
小太郎「……よくそんなんで僕を小さくする方法はわかったもんだな。」
瑞希「あはは……したいことについては一生懸命になるから。」
何だ何だ、最初から僕を小さくしたかったのか?
ていうか、僕を元に戻すのは嫌なのか!?
小太郎「嫌でも何でも、ちゃんと元に戻してくれないと困るぞ。」
瑞希「え、あ、嫌なんてことはないよ……。」
何か信じられなかった。

夕方になり、丸野さんは夕飯を食べに行き、しばらく経って戻ってきた。
瑞希「はい、これ福見君の分。」
ちょっと残したものを僕の分として持ってきてくれた。
米粒一つがえらく大きいので、全てつぶして食べやすくしてくれた。
僕が夕食を終えた頃、丸野さんは風呂に入りに行っていた。
改めて辺りを見回すと、いかにも女の子の部屋という感じがする。
女の子の部屋なんかはじめて入った。しかし、よもやこんな形で入ろうとは。
これからどうなるんだろうと途方にくれていたら、丸野さんが部屋に戻ってきた。
パジャマを着ていて、全身からホワホワと湯気が立っている。
僕のところに近づいてきて、丸野さんは言った。
瑞希「福見君もお風呂に入った方がいいよね。」
小太郎「……無理言うなよ。溺れてしまうぞ。」
そういうと、丸野さんは湯の入った小型の灰皿と小さな石鹸の欠片と布切れを手渡してきた。
それらをありがたくいただき、僕はこの小人用の風呂に入った。

夜、ベッドに寝転がっていた丸野さんは大きなあくびをしたあとこっちに近づいてきた。
瑞希「そ……そろそろ寝ようか。」
小太郎「そうだな。明日には元に戻」
言い終える前に僕を摘み上げ、枕の横に投げ落とした。
柔らかい布団の上に落とされ、体が数度跳ねた。
小太郎「びっくりした……もうちょっと丁寧に扱ってくれよ。」
言う間に丸野さんは布団の中に入り込み、横になったと思うとこっちを見て
瑞希「へへへ、一緒に寝よ。」
一緒に寝るって……潰されでもしたらどう責任をとってくれるんだ。
逃げようと思ったが逃げる術などなく、言われるままに
丸野さんの顔の横に寝かされた。
小太郎「やれやれ……おちおち寝られたもんじゃないな……。」
僕は目をつぶった。寝れば夢からさめるかもしれないという期待もあった。

しばらくすると、布団がモゾモゾ動き出した。
前から来る丸野さんの息の風が強く荒くなってきている。
何かあったのかと目を開いてみてみると、丸野さんは半ば辛そうな表情をしていた。
小太郎「お、おい、どうした?」
訊いた瞬間、丸野さんは表情を驚愕のそれに変え、動きと呼吸がピタと止まった。
……何かまずいことでも言ったのか。
半ば辛そうな表情といったが、よく見ると顔面は紅潮していて唇が潤んでいる。
興奮していたのだろうか。だとするとさっきの状態は……。
瑞希「……見た?」
小太郎「い……いや、何も。何も見てないよ。」
うそ臭い答え方をしてしまった。
そう伝わったのか、丸野さんは僕を摘んだ。指は異様に温かい。
丸野さんの表情がまた愁いを帯びたものになった。そして布団はまた動き出した。
僕を摘んでいる指は丸野さんの目のすぐ前で落ち着いた。
瑞希「福見君……福見君……ハァハァ……」
開き直ってしまったようだ。まあオカズに使われることは嬉しくないこともない。
しかし自慰をする女の子を見るのは初めてで、こっちまで興奮してきた。
瑞希「ハァハァ……福見君……好きぃ……はうぅ……」
涙目でしまりのない表情へと変貌していた。熱く湿った風が頻りに舞ってくる。
瑞希「好きぃ……食べたい……食べてしまいたい……」
小太郎「はは……ぶ、物騒な表現だな。」
瑞希「ねえ……食べていい?食べたいの。ねえ……ハァハァ」
……何か雲行きが怪しくなってきた。食べていいかって、いいわけないだろう。
小太郎「食べられてたまるかよ、まだ命は惜しいぞ。」
瑞希「大丈夫、口に入れるだけだから……福見君の感触と味を感じたいの……」
小太郎「いやでも間違って飲み込まれでもしたら」
瑞希「ダメ、もう我慢できない……ハァハァ……食べるよ、ねえ、食べるよ」
小太郎「おい、ちょっと待て、命を保証」
言う間もなく僕を摘んだ指は動き出した。行く先は、無論丸野さんの口である。
口の真正面に運ばれる。呼気が直接吹き来る。
前方には半分ほど開いた口がある。その奥は赤黒い空間がぬべっと控えていた。
本当に口に入れるのかよ。冗談じゃない。
ゆっくりと入口へ運ばれてゆく。口の穴は少しずつ大きくなってゆく。
やがて唇の間まで到達した。上と下に大きく険しい真っ白な前歯が聳えている。
目の前はもう口の中しか見えない。桃色の床と赤く丸い天井と横に並ぶ白い岩、
そして真っ黒な淵。天井と床の間を数条の液体の柱が支えている如く見えた。
ある意味見とれている間に、ちょこんと柔らかい床の上に置かれた。
生温かく、ぬるぬると濡れた床に着床したところで門が閉じた。
小太郎「うひゃあ……」

瑞希「ん……んふぅ…んむんむ……んん……」
瑞希は、慕わしき小人を口に含みながら嬉々として秘め事に勤しんでいた。
内容物を舌でこね回し、口の中の各所に連れ回す。

勿論、福見少年にとってはただ事ではなかった。
蒸し暑く空気の少ない液状の世界に放り込まれ、右へ左へと掻き回されている。
味蕾の妖しい感触が全身を襲い、上下の歯の気配に生命の危機を感じさせられた。
小太郎「ぐえええ……やーめーてーくーれー……。」
身動きがとれない。息もしにくい。全く身体の自由というものがない。
丸野さんが食べようと思えば容易に食べられよう。
ただただ変な気を起こしてくれないよう祈るのみだ。

とにかく、右に左に、上に下に、前に後ろに人の体を弄んでくれる。
多湿の空気の中で、悪いときには唾液に浸かっていることもあるために呼吸しづらい。
時々丸野さんが呼吸するために口を開けるのでその時が息継ぎのチャンスだった。
そんな命がけの境遇が、何分も或いは何十分も続く。
それは彼女が感極まって果てるまで。

瑞希「んぐ……むぐ……んん、ん、ん、んあっ……ハァ、ハァ……はうぅ……」
絶頂を迎え、少女の淫らな遊戯は終わった。口はだらしなく開いて肩で息をしている。
小太郎「ふぅ……終わったみたいだな。それとも休憩なのかな。」
柔らかい呼気が吹きつける口内に巨大な指が侵入してくる。
そして僕を摘み上げた。出してくれるらしい。
2本の指に挟まれ、久しぶりに外界に出た。
蒸し暑いところにいたせいと唾液をたっぷり浴びているため寒く感じた。
丸野さんを見ると、恍惚の表情で伸びていた。目を虚ろにして涎が垂れ出ている。
瑞希「はう……よかったよ……おいしかった……」
喜んでいただけたようだけど、嬉しくないぞ。生還できたのは嬉しいが。
そのまま丸野さんは眠りについた。僕もべとべとの状態で寝かされた。
そして翌日も、翌々日も、僕は彼女のおしゃぶりとなって弄ばれ続けた。

前編完

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